はじめに
この記事でわかること
この記事では、
- ADHDグレーゾーンの子どもの「好きなこと」を伸ばす大切さ
- 発達クリニックの先生から教わった忘れられない言葉
- 我が家で始めた「美術館ごっこ」という親子の遊び
- 好きなことが、子どもの自己肯定感につながる理由
について、私たち親子の体験をもとにお話しします。
もし今、
「この子は将来、社会でやっていけるのだろうか。」
そんな不安を抱えながら子育てをしている親御さんがいたら、
この体験が少しでも希望になれば嬉しいです。
将来が見えなくて、毎日が不安だった
息子はADHDグレーゾーンです。
特に多動性や衝動性が強く、
小さい頃から、目に入ったものへ突然走ってしまったり、
力加減が分からず相手を驚かせてしまったり、感情が大きく揺れてしまったり。
もちろん本人に悪気はありません。
でも周りは驚きます。
「どうしてそんなことをしたの?」
そう聞かれても、息子自身も説明できないことがありました。
発達クリニックでは、
「前頭葉の発達の特性として見られる行動です。」
そう説明を受けました。
理解はできました。
でも、理解できても、親としての不安は消えませんでした。
この子は大きくなったら、学校で、社会で、うまく生きていけるのだろうか。
毎日そのことばかり考えて、悩みも不安も尽きませんでした。
クリニックの先生がくれた、一生忘れない言葉
そんなある日、私は発達クリニックの先生に、すがるような気持ちで相談しました。
すると先生は、とても穏やかな表情でこう話してくださいました。
「好きなこと、得意なことを、どんどん伸ばしてください。」
私は驚きました。
もっと療育の方法や、生活で気を付けることを教えてもらえると思っていたからです。
すると先生は続けてこう話してくださいました。
「この子たちは、自分ではどうにもできない特性によって、
周囲から注意されたり、失敗を経験したりすることが、人より多くなるかもしれません。
だからこそ、自分の足で立てる自信が必要なんです。
その自信は、好きなことに夢中になる経験の中で育ちます。
好きというエネルギーは、何よりも強いんですよ。」
私はその言葉を聞いて、涙が出そうになりました。
「この子には、この子らしい未来を描いてもいいんだ。」
そう思えて、張りつめていた心がほどけました。
「苦手を克服させなきゃ。」
そんなことばかり考えていた私にとって、
初めて未来が少し明るく見えた瞬間でした。
息子の「好き」を全部書き出してみた
病院の帰り道、私はノートを開きました。
そして、息子の好きなものを思いつく限り書き出しました。
レゴ。お絵描き。
海の生き物。昆虫。
ポケモン。ドラえもん。
図鑑。絵本。
どれも、息子が目を輝かせるものばかりでした。
「この”好き”を、もっと育てられないかな。」
そう考え続けているうちに、ある遊びを思いつきました。
我が家に生まれた「美術館ごっこ」
休日に水族館や動物園へ行くと、私は息子にスマホを渡します。
「好きなものを撮っておいで。」
そう伝えると、息子は夢中になって写真を撮ります。
クラゲ。
チンアナゴ。
カブトムシ。
バッタ。
ちょうちょ。
親では気付かないような視点で、何枚も何枚も写真を撮ってくるのです。

家へ帰ると、スケッチブックを開きます。
撮った写真を見ながら、絵を描き始めます。
すると息子が言いました。
「おんま、一緒に美術館ごっこしよう!」
「物語も作ろう!」
その日から、我が家には「美術館ごっこ」という新しい遊びが生まれました。
絵を描くことは、息子にとっての「表現の場」
私は最初、絵を描くことは趣味だと思っていました。
でも違いました。
息子にとって絵は、心の中を表現する時間でした。
言葉にできない気持ち。
ワクワクしたこと。悔しかったこと。
頭の中に広がる物語。
全部、絵になって出てきます。
感情をうまく整理できない息子にとって、絵を描く時間は、
心を落ち着かせる時間でもあったのです。
私は、
「上手だね。」
よりも、
「楽しそうだね。」
「ぽんにはこんな世界が見えるんだね!」
そう声を掛けるようになりました。
社会に合わせることより、自分の足で立てる力を育てたい

以前の私は、
どうしたら社会に適応できるのか。
どうしたら困らない子になるのか。
そんなことばかり考えていました。
だけど今、私は、息子が自分の好きなことに夢中になれる時間を、何より大切にしたいと思っています。
好きなことは、自信になります。
そして自信は、「また挑戦してみよう。」という勇気になります。
その積み重ねが、きっといつか、息子自身を支えてくれる。
私はそう信じています。
おわりに
先生があの日、
「好きなことを伸ばしてください。」
そう言ってくださった意味が、今ならよく分かります。
好きなことは、単なる遊びではありません。
甘えでも、わがままでもありません。
その子が自分らしく生きるための、大切な土台なのだと思います。
子どもが、
「自分はこれが好き。」
「これなら夢中になれる。」
そう思える場所は、誰にも奪われない心の居場所になるのです。
もし今日、お子さんの将来が不安で
眠れない夜を過ごしている親御さんがいたら、
どうか一度、お子さんの「好き」を数えてみてください。
苦手なことより、できないことより、夢中になっていることを。
そこにはきっと、その子だけが持っている大きな可能性が眠っています。
我が家の「美術館ごっこ」も、
そんな「好き」から始まった、小さな一歩でした。
この記事が、同じように悩みながら子育てをしている親御さんにとって、
「この子の未来を、もう少し信じてみよう。」
そう思えるきっかけになれたら、とても嬉しいです。
そして今日も、お子さんの「好き」が、未来へつながる大きな力になりますように。
そして、そのお子さんの「好き」が、これから先の人生を支える、
世界に一つだけの強みになりますように。
よくある質問
- 「好きなこと」ばかりさせていて大丈夫でしょうか?
-
好きなことに夢中になる経験は、自己肯定感や挑戦する力を育てる大切な土台になります。苦手なことへの挑戦も大切ですが、まずは「自分には得意なことがある」という安心感を育てることが、その後の成長につながると私は感じています。
- 絵が苦手な子でも同じ考え方でいいですか?
-
もちろんです。レゴや昆虫、電車、音楽、ダンスなど、何でも構いません。大切なのは「好き」という気持ちに寄り添い、その時間を一緒に楽しむことだと思っています。
- 親はどう関わればいいですか?
-
上手・下手を評価するよりも、「楽しそうだね」「面白いね」と気持ちに共感することを意識しています。子どもの「好き」を認めてもらえた経験は、大きな自信につながると感じています。
今日伝えたかったこと
- 発達特性のある子どもほど、「好き」というエネルギーが自信につながることがある
- 苦手を克服することばかりに目を向けなくてもいい
- 子どもの「好き」は、大切な才能の芽
- 親が一緒に楽しむことで、「好き」はもっと育っていく
- 子どもの未来を信じる第一歩は、「好き」を信じることから始まる





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