「ADHDは、なかなか理解されづらい部分がまだ残るけれど、アレルギーみたいなものです。」——発達クリニックの先生にそう言われたとき、私は少し肩の力が抜けました。
息子は現在、自主的に発達クリニックに通い、海外の大学でも研究を重ねている先生のもとで定期的に診察を受けています。衝動性・多動性の傾向が強く見られる中で、先生からは「治す」ではなく「細く長く付き合っていく」という考え方を教わりました。
今回は、そのクリニックで指導された「前頭葉トレーニング」と、我が家が間続けてみた記録をご紹介します。
※この記事は我が家が受けた診察・指導内容をもとにした実体験です。トレーニングの内容や進め方は、必ずかかりつけの医師・専門家の指導のもとで行ってください。
- 「ADHDはアレルギーと同じ」という先生の言葉の意味
- 前頭葉トレーニング「指折り」「6秒ストップ」のやり方
- 6ヶ月続けてみて分かった変化
- 「問題と捉えるかどうかは親次第」という先生の言葉
- よくある質問(Q&A)
ADHDはアレルギーみたいなもの

診察の中で、先生からこんな説明がありました。
例えば乳糖アレルギーがあれば、牛乳を避けたり、タイミングが来れば少しずつ飲む練習をして克服していく。発達特性にも、それと同じように適切な対応を重ねていくことが必要というお話でした。
ADHDの場合は、特に前頭葉の発達が関連してくるとのことで、まずは日々のトレーニングをするように指導されました。それが、「5本指の指折り」と「手のひらを6秒間止める」という、2つの練習です。
息子の最初の状態
トレーニングを始めた小学校1年生のタイミングで、息子にはこんな様子がありました。
| 練習内容 | 最初の様子 |
|---|---|
| 5本指の指折り | 親指・人差し指は一本ずつ折れるが、中指から小指にかけては同時に折れてしまう |
| 6秒間のストップ | 手が震えてしまい、うまく静止できない |
指を一本ずつ独立して動かすことや、手を止めた状態を保つことは、大人が思っている以上に、前頭葉と手指の連携が必要な動作です。この診察を受けてから、3ヶ月間トレーニングを重ねました。
我が家で続けた前頭葉トレーニング
やり方
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイミング | 朝と夜、1日2回 |
| 指折り | 往復1回 |
| 6秒ストップ | 1回 |
| 意識したこと | 負担にならず、楽しく続けられる量に絞る |
回数を欲張らず、「これなら毎日続けられる」という量に絞ったことが、継続できた理由の一つだったと思います。
「練習」にしない工夫
最初の頃、「練習するよ」と声をかけると、息子が嫌がる様子もありました。そこで、
「今日はどっちが上手に指折りできるかな?」
と、親子で楽しく競争できる形に変えました。
すると、息子は嫌がるどころか、楽しんで取り組むようになりました。トレーニングという言葉を使わず、遊びの延長として毎日の習慣に組み込んだことが、継続できた大きな要因だったと感じています。
3ヶ月間続けた今の様子
完璧にできるようになったわけではありません。それでも、確実に変化がありました。
- 指折り:まだ完璧とは言えませんが、ゆっくりと、一本ずつ折れるようになってきました
- 6秒ストップ:まだ小刻みに震えることはありますが、自分の意思で少しずつ静止できるようになってきました
大きく劇的に変わったわけではありません。でも、「できなかったこと」が「少しずつできるようになってきたこと」に変わってきているのを、6ヶ月という時間の中で実感しています。
「問題と捉えるかどうかは、親次第」という言葉
先生から、もう一つ印象に残っている話があります。
ADHDについて、問題だと思えば問題になるし、そういうものだと客観的に捉えられれば、問題にならない。要は、その事象を親がどう捉えるか、ということなんだというお話でした。
この言葉を聞いたとき、私はハッとしました。
息子の特性そのものは変わらなくても、それをどう見るかは、私自身の選択なのだと。
「困った特性」として見るのか、「その子の個性、付き合っていくもの」として見るのか。その視点の違いが、親子の日々の空気を大きく左右するのだと感じています。
よくある質問(FAQ)
- 「指折り」「6秒ストップ」は自己判断で始めてもいいですか?
-
我が家では発達クリニックの医師の指導のもとで行っています。前頭葉トレーニングの内容や適切な負荷は、お子さんの状態によって異なるため、自己判断で始めるのではなく、まずはかかりつけの医師や専門機関に相談することをおすすめします。
- トレーニングはどのくらいで効果が出ますか?
-
我が家では3ヶ月続けた頃から、少しずつ変化を感じるようになりました。ただし個人差が大きい分野だと思いますので、「すぐに結果が出るもの」とは捉えず、長期的に取り組む前提で考えることをおすすめします。
- 子どもが練習を嫌がるときはどうすればいいですか?
-
我が家では「練習」という言葉を使わず、「どっちが上手にできるかな」と競争形式にすることで、楽しく続けられるようになりました。回数を欲張らず、負担にならない量に絞ることも大切だと感じています。
- ADHDは治るものなのですか?
-
我が家がクリニックで伺ったのは、「治す」というより「特性とどう付き合っていくか」という考え方でした。アレルギーのように、適切な対応を重ねながら長く付き合っていくものだと捉えるようになりました。
今日伝えたかったこと
- ADHDは「治すもの」ではなく、アレルギーのように「付き合っていくもの」という捉え方がある
- 前頭葉トレーニング(指折り・6秒ストップ)は、少量でも継続することで少しずつ変化が見える
- 「練習」を「遊び」に変える工夫が、継続の鍵になった
- 特性をどう捉えるかは、子どもではなく親側の選択でもある
3ヶ月前、一本ずつ指を折ることも、手を静止させることも難しかった息子が、今は少しずつ、それができるようになってきています。完璧ではありません。それでも、この積み重ねが、これからの息子の力になっていくのだと信じています。
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「うちではこんなトレーニングをしています」というエピソードがあれば、ぜひコメント欄で教えてください。
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