発達グレーゾーンの子どもがテレビ・スマホをやめられない理由|「あと5分」が終わらない我が家の7つの工夫

「もう終わりだよ」「あと5分!」「5分経ったよ」「あとちょっとだけ!」——そして最後は、テレビやスマホを消した瞬間に怒る、泣く、大癇癪。こんなやり取りを、毎日のように繰り返していませんか。

結論からお伝えすると、テレビやスマホをやめられないのは「約束を守る気がない」からではなく、「楽しいことから、次の行動へ気持ちを切り替えること」自体が難しい場合があります。

我が家も、テレビや動画を「見ること」そのものより、見始めた後にやめることにとても苦労してきました。

何度約束しても終われない。「さっき約束したよね?」と言っても切り替えられない。以前の私は、「約束を守る気がないのかな」「甘やかしているからなのかな」と思うこともありました。

でも息子を見ているうちに、少し違うことに気づきました。今回は、ADHDグレーゾーンの息子との生活の中で試してきた、テレビ・スマホとの付き合い方について書いてみたいと思います。

この記事でわかること
  • 発達グレーゾーンの子どもがテレビやスマホをやめにくいと感じる背景
  • 「あと5分」が何度も続いてしまった我が家の経験
  • 我が家で試して効果を感じた7つの工夫
  • テレビ・スマホを完全禁止にしなかった理由
  • 親子でルールを作るときに意識していること
目次

発達グレーゾーンの子どもがテレビ・YouTubeをやめられないのはなぜ?

テレビやYouTubeをなかなかやめられないと、「言うことを聞かない」「約束を守らない」と見えてしまうことがあります。でも我が家の場合、「終わる」という行動をよく観察してみると、いくつもの難しさが重なっているように感じました。

息子を見ていて感じた難しさ我が家で見られた様子
注意を切り替える動画に夢中になると、声をかけてもなかなか入らない
終わりをイメージする「あと5分」が本人には分かりにくい
楽しいことを中断する終了すると「まだ見たい」という気持ちが強くなる
次の行動へ移る動画からお風呂や食事へ移るのに時間がかかる

だから、「あと5分って言ったでしょう!」と約束を確認するだけでは、なかなかうまくいきませんでした。問題は「約束を覚えているか」だけではなかったからです。

補足: 日本小児科医会も、スクリーンとの付き合い方について、視聴時間だけでなく生活リズムや親子のコミュニケーションを含めた向き合い方を呼びかけています。気になる方は、日本小児科医会が公開している「デジタル子育て」に関する啓発資料も参考になります。

我が家で効果を感じた7つの工夫

工夫やること
① 予告するいきなり消さず、終わりを何度か知らせる
② 見える化するタイマーなどで終わりを目や耳で分かる形にする
③ 区切りで終わる時間ではなく「この1本で終わり」という区切りを使う
④ 次を伝える「終わったら〇〇しよう」と次の行動までセットで伝える
⑤ ルールは平常時に決める感情的な場面でルールを増やさない
⑥ できた瞬間を拾う自分で終われた行動を具体的に言葉にする
⑦ 悪者にしない完全禁止にせず、「好き」を伸ばす道具として捉える
STEP
いきなり消さずに「終わり」を予告する

一番変えたのは、突然終わらせることでした。以前は「もう30分見たから終わり!」と、その場でテレビを消すこともありました。当然、息子からすると楽しい世界が突然プツッと切られます。

そこで、「あと10分くらいだよ」「これが終わったらおしまいにしようね」「そろそろ終わりの時間だよ」と、終了までに何度か予告するようにしました。

大人でも、集中して仕事をしている途中で突然パソコンを閉じられたら嫌ですよね。子どもにも、気持ちを終わりへ向けるための準備時間が必要なのだと思うようになりました。

STEP
「あと5分」の言葉ではなく、見える形にする

息子にとって「5分」は、とても曖昧なものでした。大人なら時計を見て時間の経過をイメージできますが、子どもにとっては「5分ってどのくらい?」というところから始まります。

そこで我が家では、タイマーなどを使って、できるだけ終わりを目や耳で分かる形にするようにしました。

親が突然「はい、終わり!」と言うのではなく、「タイマーが鳴ったね」と、終了の合図を親以外にも持たせるイメージです。これだけでも、「ママにテレビを消された」という対立が少し減りました。

STEP
動画の途中ではなく「区切り」で終わらせる

たとえば20分経ったからといって、動画の残り2分のところで突然終了する。これは息子には難しいことがありました。そこで、できる範囲で「この1本が終わったらおしまい」という区切りを使うようにしました

もちろん、そこから次の動画を再生してしまったら終わりがありません。だから最初に「これを最後の1本にしよう」と確認します。時間だけで切るより、「物語が終わる」という分かりやすい終点を作る方が、息子には合っていました。

STEP
「やめなさい」より、次にすることを伝える

「YouTube終わり!」だけでは、息子の中には楽しいものを取り上げられたという感覚だけが残りやすくなります。そこで、「終わりにして、お風呂に入ろう」「テレビを消したら、ご飯にしよう」など、テレビの後に何をするのかまでセットで伝えるようにしました。

息子には、「やめる」ことを教えるより、次へ移る道を見せる方が伝わりやすかったのだと思います。

STEP
守れなかったときに、その場でルールを増やさない

これは私自身の反省でもあります。テレビをなかなか消さないと、「じゃあ明日はテレビなし!」さらに怒ると「もう一週間YouTube禁止!」なんて、怒りに任せてルールを増やしたくなることがありました。

でも、これをすると親も苦しくなります。その日の感情でルールが変わるので、子どもから見ても「どこまでならいいのか」が分かりづらくなります。

そこで、できるだけルールは平常時に決めるようにしました。守らせるためのルールではなく、守りやすいルールを一緒に探す。この感覚に変わってから、私自身も少し楽になりました。

STEP
自分で消せたときは、その瞬間をちゃんと拾う

以前の私は、テレビを消せたことを当たり前だと思っていました。だから、できなかった日は怒るのに、できた日は何も言わない。そこで、「自分で消せたね」「まだ見たかったのに終われたね」と、できた行動を言葉にするようにしました。

ここで大切にしているのは、「偉いね!」だけではなく、何ができたのかを具体的に伝えること。「タイマーが鳴って自分で消せたね」なら、子ども自身も成功した行動を理解できます。

STEP
テレビ・スマホを「悪者」にしない

我が家ではテレビやスマホを完全に禁止することにはしませんでした。息子は、興味を持ったものを動画からどんどん調べることがあります。大好きな生き物について知ったり、知らなかった世界に興味を持ったり。

我が家が目指しているのは、楽しんだ後に、自分で日常へ戻ってこられること。「見せないこと」を目標にはしませんでした。

「テレビをやめられない子」ではなかった

子育てをしていると、つい行動に名前をつけてしまいます。「片付けられない子」「着替えられない子」「テレビをやめられない子」。でも息子を見ていると、少し違うのかもしれないと思うようになりました。

「やめられない子」なのではなく、やめ方をまだ身につけている途中の子。

そう考えると、親ができることも変わります。「やめなさい」を何度も繰り返すより、やめられる仕組みを周りに作る。我が家には、その方が合っていました。

それでも、やめられない日はあります

疲れている日。すごく面白い動画を見つけた日。眠い日。気持ちが不安定な日。「まだ見たい!」となることはあります。そんな日は、親の私だってイライラします。

でも以前との違いは、一回うまくいかなかったことを、「この子はできない」に結びつけなくなったことだと思います。

昨日できたから、今日も絶対できるとは限らない。今日できなかったから、今までの練習が無駄になるわけでもない。その日の息子に合わせて、支え方を変えています。

テレビ・スマホとの付き合い方で、我が家が大切にしていること

今の我が家で大切にしているのは、「何分見たか」だけで親子関係をいっぱいにしないことです。テレビを見て笑ったこと。動画から新しいことを知ったこと。自分から終了ボタンを押せたこと。そこにも目を向けていたいと思っています。

だからこそ、親がずっと管理し続けることより、少しずつ自分で「始める・終わる」を選べるようになること。我が家では、そこを目指しています。

よくある質問(FAQ)

子どもがテレビやスマホをやめられないとき、取り上げてもいいですか?

家庭によってルールは異なると思います。我が家では突然取り上げるよりも、「あと10分」「この動画で最後」など事前に終了を知らせる方が、切り替えやすいと感じています。安全や生活への支障がある場合には、大人が使用を止める必要がある場面もあります。

タイマーを使っても「まだ見たい」と怒ります。どうしたらいいですか?

タイマーだけですぐ切り替えられるとは限りません。我が家でも、予告・動画の区切り・次にすることを伝えるなど、複数の方法を組み合わせています。タイマーは「鳴ったら必ず泣かずに終了できる魔法の道具」ではなく、終わりを分かりやすくする補助として使っています。

ADHDの子どもはテレビやYouTubeに依存しやすいですか?

「テレビや動画をやめられない」という様子だけで、ADHDや依存症と判断することはできません。生活や睡眠、学校生活などへの影響が強く、家庭だけで対応することが難しい場合には、小児科などの専門家へ相談することも選択肢です。

スマホやテレビは完全に禁止した方がいいですか?

我が家では完全禁止にはしていません。大切にしているのは、「見る・見ない」の二択ではなく、家庭でルールを作りながら付き合い方を身につけていくことです。

今日伝えたかったこと

テレビやスマホをやめられない姿を見ると、親はつい「何回言えば分かるの?」と思ってしまいます。私も何度も思いました。

でも必要だったのは、同じ注意をもっと強く繰り返すことではありませんでした。息子が自分で終われるようになるための”橋”を作ることでした。

予告する。終わりを見えるようにする。区切りを作る。次の行動を伝える。できた瞬間を言葉にする。

一つひとつは、とても小さな工夫です。それでも、その積み重ねの中で、少しずつ自分で終わりを選べるようになってきました。

「またやめられなかった」だけで一日を終えるのではなく、今日はどうしたら終われたかな。そんなふうに、親子で一緒に「自分に合ったやめ方」を探していけたらいいなと思っています。

📩 この記事が参考になったら

「うちではこんな工夫をしています」というエピソードがあれば、ぜひコメント欄で教えてください。

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※この記事は我が家の体験を中心にまとめています。お子さんによって合う方法は異なりますので、一つの家庭での工夫としてお読みください。

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