発達グレーゾーンの子に療育は必要?悩んだ私が「行ってみよう」と思えた理由

目次

はじめに

この記事でわかること

この記事では、

  • 発達グレーゾーンの息子が療育を勧められるまでの経緯
  • 私が療育に抵抗を感じていた本当の理由
  • 瞑想を通して、自分の偏見に気づいた話
  • 「療育=障害」ではなく、「可能性を広げる選択肢」だと思えるようになった理由

について、我が家の実体験をお話しします。

「療育を勧めたいです。」

もし先生からそう言われたら、皆さんはどう感じますか。

安心でしょうか。それとも、不安でしょうか。

私は、すぐには受け入れられませんでした。

療育に反対だったわけではありません。

でも、「本当にそれが息子にとって一番いい道なんだろうか。」

そんな葛藤が、ずっと心の中にありました。

「なんとなく違う」は、ずっと感じていた

息子は乳幼児健診で発達について指摘されたことはありませんでした。

言葉の遅れもありません。大きな発達の遅れを感じたこともありませんでした。

それでも、小さい頃から「なんとなく周りと違う」という感覚だけはありました。

一つのおもちゃで長く遊ぶことはほとんどなく、レゴを始めたと思えば次は図鑑、その次はミニカー。

興味が次々と移っていきます。

静かにする場所では突然大きな声が出てしまう。

座っていてほしい場面でも立ち歩いてしまう。

「落ち着きがないのかな。」

「少し集中が苦手なのかな。」

そんな印象は、親としてずっと持っていました。

転園するときには、保育園の先生から、「少人数で、ぽんくんをよく見てくれる園が合うかもしれませんね。」そんな言葉もいただきました。

そして年長最後の保護者面談。

先生から初めて「コミュニケーションクラス」の案内を受けました。

私は驚いたというより、「やっぱり。」そう思いました。

ずっと感じていた違和感に、初めて名前が付いたような気がしたのです。

自分から発達クリニックを受診した

誰かに勧められたわけではありません。診断を受けるよう言われたわけでもありません。

私自身が息子についてもっと知りたいと思い、日本や海外で発達について研究されている先生のクリニックを探し、自主的に受診しました。

そこで初めて、ADHDグレーゾーンや協調運動症(DCD)の傾向があることを教えていただきました。

診断名が付いたことよりも、「だからこういうことが苦手だったんだ。」そうやって息子を理解できた安心感の方が大きかったことを覚えています。

ADHDグレーゾーンとは?

ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意、多動性、衝動性などの特性がみられる発達特性です。一方で「グレーゾーン」とは、診断基準を完全には満たさないものの、日常生活や学校生活で困りごとが見られる状態を指して使われることがあります。

※「グレーゾーン」は医学的な正式診断名ではなく、一般的に用いられている表現です。

協調運動症(DCD)とは?

協調運動症(Developmental Coordination Disorder:DCD)は、体を思い通りに動かすことや、複数の動きを同時に行うことに苦手さがある発達特性です。

例えば、

  • ボール遊びが苦手
  • 縄跳びやダンスを覚えるのが難しい
  • 字を書くことに時間がかかる
  • ボタンを留めたり、靴ひもを結んだりする細かい作業が苦手

といった困りごとが見られることがあります。

学校でも療育を勧められた

小学校へ入学し、一学期の個別面談。先生は学校での様子を一つひとつ丁寧に教えてくださいました。

そして最後に、「療育は検討されていますか?」と、そっと声を掛けてくださいました。

学校にももちろんできることはあります。

でも、社会性や運動面については、専門機関と連携することで、ぽんくんの力をもっと伸ばせるかもしれない。

そんな思いで提案してくださったのだと思います。

療育とは?

療育とは、発達に特性のある子どもが、自分らしく生活していくための力を育む支援です。運動やコミュニケーション、社会性など、その子に合わせたサポートが受けられます。

私が療育を受け入れられなかった本当の理由

私は療育そのものが嫌だったわけではありません。

本当に怖かったのは、自分の心でした。

療育だけが、本当にこの子にとっての正解なのだろうか。

一律の枠組みに当てはめることが、この子らしさにつながるのだろうか。

私はこれまで、

「個性を大切にしたい。」

「多様性を認められる社会になってほしい。」

そう思って生きてきました。

でも療育という言葉を前にすると、心が動きません。施設を調べようとしても、どこか気が進まない。

なぜなんだろう。

その理由が、自分でも分かりませんでした。

瞑想が、自分の偏見を教えてくれた

そんな時、毎朝続けている瞑想の時間が、私に問いを投げかけました。

「どうして療育に抵抗があるの?」

静かに自分の心を見つめていると、一つの答えが浮かびました。

私は、自分の中にも偏見があったのです。

息子に対する偏見ではありません。

「療育」という言葉に対して、私自身が知らないうちに作り上げていたイメージでした。

「一人ひとり違っていい。」

「個性を大切にしたい。」

そう言いながら、心の奥では、

「療育に通う子」

という見られ方を恐れていました。

息子ではなく、私自身が、「普通」という枠組みに縛られていたのです。

そのことに気付いた時、とても苦しくなりました。

子どもたちは、もう答えを知っていた

そんな時、学校で見たある光景を思い出しました。

朝、息子が支度をしたくなくて立ち止まっていた日。

隣の席の子どもたちが、「一緒にやろう。」「これ持つね。」と、ごく自然に支度を手伝ってくれていました。

誰も息子を特別扱いしていませんでした。

「特性のある子」とも見ていませんでした。

ただ、「ぽんくん」として接してくれていたのです。

その姿を見た時、私は思いました。

偏見や固定観念を作っているのは、子どもではない。もしかしたら、大人なのかもしれない。

子どもは、ありのままを受け入れる力を持っています。

「違うこと」を特別なことだとは思っていません。

その柔軟さを失ってしまったり、奪ってしまうのは、大人なのかもしれません。

療育は、息子の世界を広げる場所かもしれない

そう考えられるようになってから、療育への見方が変わりました。

療育は、息子を「普通」にする場所ではありません。

息子が、この社会で自分らしく生きるための選択肢を増やす場所なのかもしれない。

私は息子を変えたいわけではありません。

今の息子が大好きです。

でも、社会性や運動面で困った時、頼れる場所を知っていること。

困った時の解決方法を知っていること。自分を理解できること。

それらはきっと、息子の未来を支えてくれる力になります。

療育は、「枠にはめる場所」ではなく、息子の世界を広げる場所なのかもしれない。

そう思えた時、ようやく見学へ行こうと思えました。

息子に、たくさんの鍵を持たせてあげたい

これから療育へ通うかどうかは、まだ分かりません。

見学してみて、息子に合うかどうかを、一緒に考えたいと思っています。

でも一つだけ、今ははっきり思えることがあります。

私はもう、「療育」という言葉に振り回されない。

そして、親である私がしてあげたいのは、一つの正解を与えることではありません。

息子が将来困った時に、自分で選べる道を増やしてあげること。そのために、たくさんの鍵を持たせてあげたい。

どの鍵を使うかは、息子自身が決めればいい。

親である私は、その選択肢を増やしてあげられる存在でいたいと思っています。

それが、今の私の願いです。

おわりに

療育へ行くかどうか。その答えは、家庭によって違います。

だから私は、「療育へ行くべき」と言いたいわけではありません。

でも今回、療育について悩んだ時間は、息子のことだけではなく、自分自身の偏見や思い込みと向き合う時間でもありました。

親もまた、子どもと一緒に成長していく存在なのだと思います。

もし今、療育という言葉の前で立ち止まっている方がいたら、焦って答えを出さなくても大丈夫です。

悩みながら考えた時間も、きっと親子にとって大切な一歩になる。

私はそう信じています。

よくある質問

発達グレーゾーンでも療育は利用できますか?

自治体や施設によって異なりますが、診断名がなくても相談できる場合があります。まずは自治体や発達支援センターへ相談することをおすすめします。

療育へ通うと普通学級へ通えなくなりますか?

療育と普通学級は併用できます。我が家も普通学級へ通いながら、療育という選択肢を検討しています。

療育は子どもを「普通」にするための場所ですか?

私は今はそう思っていません。療育は子どもの特性を理解し、その子らしく生きるための力や選択肢を増やす支援の場だと考えています。

今日伝えたかったこと

  • 「療育に行くかどうか」よりも、「親がどう受け止めるか」に悩むこともある。
  • 私が療育に抵抗を感じていた理由は、自分の中にあった偏見だった。
  • 子どもたちは、大人よりもずっと自然に違いを受け入れていることがある。
  • 療育は子どもを変える場所ではなく、その子らしく生きるための選択肢を増やす場所なのかもしれない。
  • 親もまた、子どもと一緒に学び、成長していく存在なのだと思う。

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