はじめに
この記事でわかること
この記事では、
- 協調運動症(DCD)の子どもに見られる特徴
- 「手先が不器用」に見える背景
- 我が家で取り入れたアイロンビーズの工夫
- 小さな成功体験が子どもの自信につながる理由
について、私たち親子の実体験をもとにお話しします。
「どうしてこんなに手先が不器用なんだろう。」
「何度教えてもできるようにならない。」
そんな悩みを抱えている親御さんがいたら、
この記事が少しでも手助けになれば嬉しいです。
「不器用」では片付けられない苦しさ
息子はADHDグレーゾーンです。
そして発達クリニックでは、ADHDの子どもに併発しやすいと言われる
協調運動症(DCD)の傾向もあると教えていただきました。
協調運動症とは、頭の中で思い描いた動きと、
実際の体の動きを一致させることが難しい特性です。
例えば、
ボールを投げる。音楽に合わせて踊る。
ハサミを使う。ボタンを留める。箸を使う。
そして、指先を細かく動かす作業も苦手です。
小学1年生になった今でも、指を一本ずつ折る「指折り」や、
補助なしのお箸を使うことは簡単ではありません。
何も知らなければ、
「この子は手先が不器用だな。」
そう思われるかもしれません。
でも私は、本人の努力ではどうにもならない特性があることを知りました。
そして、息子自身も思い通りに体が動かないことへ、
小さなストレスを積み重ねていることに気付きました。
「慣れ」が大切。その言葉から始まった我が家の挑戦
発達クリニックの先生から、こんな言葉をいただきました。
「成長とともに少しずつできることは増えていきます。
でも一番大切なのは、日常の中で少しずつ経験を積むことです。」
特別な訓練ではなく、遊びの中で体をたくさん使うこと。
日々の生活の中で積み重ねていくこと。
それらが、子どもの力になるということでした。
それを聞いた私は、「家で楽しくできることはないかな。」
頭の中でたくさんのアイデアを広げていきました。
きっかけは大好きなポケモン
息子はポケモンが大好きです。
そこで選んだのが、ポケモンのアイロンビーズでした。
でも、そのまま始めるとうまくいきません。
プレートが動いてしまう。ビーズが散らばる。
どの色を取ればいいか分からない。
情報量も、考える刺激も多くて、どこから手を付ければいいのか分からなくなってしまう。
それだけで焦ってしまいます。
だから私は、少しだけ環境を変えました。
プレートはテープで四隅を固定。
ビーズは使う色ごとに小さなケースへ仕分け。
息子が「やること」以外の負担をできるだけ減らしてみました。

動きを「ひとつずつ」に分けてみた
最初は、ピンセットでビーズをつまむことも難しく、
焦ってしまい、ビーズを何度も落としては、
「もうやめる。」
まだ始めて3分ほどしか経っていませんでした。
そこで私は、一連の動きを細かく分けて伝えることにしました。
「まず、つまんでみよう。」
「そのまま上に持ち上げよう。」
「プレートの上まで運ぼう。」
「ゆっくり置いてみよう。」
「最後に向きを整えよう。」
一気に説明するのではなく、一つずつ。
息子のペースに合わせながら、隣で一緒に進めました。
すると少しずつ、指先の動きと頭の中のイメージがつながり始めたのです。

気づけば2時間、夢中になっていました
驚いたのはその後でした。
「もう少しやる!」
そう言いながら、息子は集中を続けました。
気が付けば、なんと2時間。
一つひとつビーズを並べ、最後まで完成させたのです。

私は思わず、「すごいね!」と抱きしめました。
完成したポケモンは、私がアイロンをかけ、冷蔵庫でしっかり冷やして仕上げました。
そして部屋へ飾ると、息子は作品を眺めながら嬉しそうに笑っていました。
あの日完成したのは、アイロンビーズだけではありませんでした。
「自分にもできた。」
という小さな自信と満足が、一緒に出来上がったのだと思います。
子どもを変えるより、環境を変える
以前の私なら、
「もっと頑張って。」
「もう少し集中して。」
そう声を掛けていました。
でも今は、できない理由を責めるのではなく、
どんな環境なら挑戦できるかな?
どんな声掛けなら焦らないかな?
子どもに目を向けるのではなく、「環境」に焦点を当てる方が、
子どもは何倍もの力を発揮してくれることを、息子が教えてくれたからです。
プレートを固定する。
色を分ける。
動きを一つずつ伝える。
どれも難しい工夫ではありません。
でも、その小さな工夫が、子どもの「楽しい!できた!」につながりました。
おわりに
協調運動症は、見た目では分かりにくい特性です。
だからこそ、
「不器用。」
「もっと頑張って。」
と言われてしまうことも少なくありません。
でも、少しだけ環境を整えることで、
子どもの力は驚くほど発揮されることがあります。
我が家のアイロンビーズも、そんな小さな成功体験の一つでした。
これからも、苦手を責めるのではなく、
「どうしたら楽しく挑戦できるかな。」
そんな視点を忘れずに、
親子で一歩ずつ歩いていきたいと思っています。
もし今日、お子さんのできない姿を見て、
苦しくなってしまった親御さんがいたら、
「どうしてできないの?」ではなく、
「どうしたらできるかな?」と、一緒に考えてみてください。
その小さなワンクッションが、
お子さんの「できた!」という笑顔につながるかもしれません。
親子の毎日に、小さな成功体験が一つでも増えますように。
よくある質問
- 協調運動症(DCD)の子には細かい作業をさせた方がいいのでしょうか?
-
無理に練習させるよりも、子どもの好きな遊びの中で自然に取り組める環境を作ることが大切だと感じています。
- アイロンビーズは何歳からできますか?
-
作品の難易度にもよりますが、小学校低学年でも、保護者が環境を整えながら一緒に取り組めば楽しめると思います。
- 声かけで意識したことはありますか?
-
「全部やってみよう」ではなく、「つまむ」「持ち上げる」「運ぶ」「置く」と、一つずつ動きをステップに分けて、伝えるようにしました。
今日伝えたかったこと
- 協調運動症は「不器用」ではなく、体の動きを調整することが難しい特性の一つ
- 子どもを責めるより、環境を少し整えることで「できた」が増えていく
- 好きなキャラクターや遊びは、挑戦する大きな原動力になる
- 小さな成功体験の積み重ねが、子どもの自信につながる
- 親の小さな工夫が、子どもの「できた!」を育てていく





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